将来を見据えた事業承継対策>事例№1
経営権を維持しながら後継者を育て、後継者に自社株を円滑に譲渡
相談者の現状
▶ (仮名)山田太郎さん63歳は業績が好調な中小企業の社長です。
▶ 山田社長には、長男(38歳)と次男(35歳)の二人の子供がいます。
▶ 長男は家を出て独立しており会社を継ぐ気が無いようです。家族との折り合いがあまり良くありません。
▶ 次男は3年前から山田社長の下で働くようになり、将来の後継者候補です。
しかし、まだまだ社員や取引先からの信望は乏しく、後継者としての修行が始まったばかりです。
相談者の希望
▶ 次男を後継者として育成しながら、会社を引き継ぐ準備をしたい。
▶ 将来の経営安定のために、相続による自社株分散を防ぎたいので、自社株はすべて
後継者の次男に相続したい。
▶ 自社株の生前贈与を検討したが、経営権を次男に移すのは時期尚早だと思う。
次男を後継者として育てながら自社株を円滑に引き継ぐ方法を知りたい。
▶ 長男には自分の個人資産を相続したいとは考えている。
▶ 会社以外の資産として、アパートや時間貸し駐車場などを相続させるつもりだが、
会社の資産と比べると金額が低いので、相続で長男が会社の株を求めてくるのを避けたい。
希望を実現する民事信託の内容
① 山田社長が委託者と受託者となり、自社株をすべて信託財産とする。
② 信託の契約期間を10年にする。(重要ポイント)
③ 第一受益者を次男とし自社株の配当権を与える。
第二受益者を山田社長として自社株の議決権と元本を保持する信託を組成する。
【注意】次男にどのくらいの配当権を与えるかは、贈与税や所得税の金額や贈与する方法を
十分検討して決めなければなりません。
④ 一方、山田社長が委託者と受託者となり受益者を長男とし、山田社長が個人で所有しているアパート
や駐車場を信託財産とする民事信託信を組成し、長男との関係改善に努める。
⑤ これにより、相続の際に長男が遺留分を主張しないようにして自社株の分散を防ぐ対策を実行する。
また、相続の際に長男が遺留分を主張しないようにしておく。
この民事信託を活用した事業承継の効果
▶ 山田社長は議決権を持ったままなので、会社の経営は今まで通り何ら変わることはありません。
▶ 次男に自社株(配当権)を所有させることで、会社の後継者であることを内外に知らせるとともに、
次男自信が後継者である自覚を持てます。
▶ 次男が配当を受けることで自社株の評価を下げ、事業承継の譲渡費用を減らすことになります。
▶ 次男が受け取る配当金は生命保険などを利用して浪費できないようにし、
将来の納税資金として貯えます。
▶ 長男に相続する財産をはっきりさせ関係改善のための時間が作れます。
▶ 賃貸料なので収益金を次男と同じように浪費をさせないようにしながら納税資金の準備ができます。
▶ この方法を長男が納得することで、相続の争いを事前に防ぐ対策が作れます。
期間10年のスポット信託
この信託では、10年という期間を設けたことが重要なポイントです。
現段階では、次男が後継者として順調に育つかどうかが未知数です。この段階で将来を決定するような
信託を組成するより、山田社長が10年後に、再度会社の将来に向けて検討し直すことができます。
後継者は、10年以内に経営者になるというはっきりとした目標を持って日々の業務に当たれます。
•相続時精算課税制度を使うかどうか検討する必要があります。
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